No.52 (明@) :
「太祖による君主独裁体制の確立とはどういうものか?」
君臣関係の厳格な儒学(南宋の朱熹が大成)である朱子学を官学化。皇帝自ら
作成した教訓である六諭と農村共同体に基づく地方行政制度の里甲制で民衆の
直接支配を図り、中央官制の中心であった中書省とその長官の宰相を廃止し行
政機関の六部を、また軍事の五軍都督府と監察の都察院も皇帝直属とした。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
宋代に始まる中国の君主独裁体制が、征服王朝であった元朝を滅ぼすことを契
機として完成したことに、高い関心を持ちながら学習に取り組んでいる。
思考・判断:
統一原理としての朱子学の官学化や、太祖自作の六諭の発布が、ローマ帝国と
キリスト教や、クシャーナ朝と大乗仏教等に典型的に見られた歴史パターンに当
てはまることについて、的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
六諭の条文を資料で読むことにより、大義名分を重んじた朱子学の要素が濃厚
であることや、これを自作した太祖の狙いについて確認している。
知識・理解:
中国王朝史の最後のエポックとなった、明の太祖による民衆の直接支配(個別
人身支配)の方法と、行政改革(行政・軍事・監察機関の皇帝直属化)の内容等
について、基本的な知識を身につけている。